マンションで小型犬と暮らしていて、トイレがなかなか覚えられない、という相談はとても多いものです。けれど、結論からお伝えすると、それはしつけ不足でも、その子の性格の問題でもありません。小型犬は体が小さいぶん膀胱も小さく、外にもすぐ出られない集合住宅では、そもそも「失敗しやすい条件」がそろっています。だからこそ、起きてしまった失敗を叱って直すより、失敗が起きない環境をつくって成功だけを積ませるほうが、ずっと近道になります。
この記事では、マンション暮らしの小型犬(トイプードルなど)のトイレのしつけを、動物行動学と獣医団体の情報をもとに整理します。犬が寝床を汚したがらない習性とがまんできる時間の目安、間取りに合わせた置き場所の設計、失敗させない管理と教え方、はみ出る・シートを噛む・逆戻り・マーキングといったつまずきの立て直し、そして体調や加齢が関わる粗相まで、順に見ていきます。最後に、飼い始めの方からよく出る質問にも答えます。
はじめにお伝えしておきたいのは、急に粗相が増えた、トイレの回数が変わった、水をたくさん飲むようになった、といった変化の見きわめは、動物病院の役割だということです。この記事は毎日の関わり方を整えるためのもので、診断や治療の代わりにはなりません。気になるようすがあれば、様子を見すぎず、早めにかかりつけへ相談してください。トイレの覚え方は、犬種・年齢・性格・暮らしの環境によって大きくちがいます。自分の犬に合わせて読み替えてください。
マンションなど集合住宅では、トイレのにおいや音への近隣配慮も気になるところです。においや共用部のマナーといった近隣への配慮そのものはマンションで犬と暮らすにまとめています。この記事は、その土台になる「室内でトイレをどう教え、どう設計するか」を扱います。
犬は本来、寝床を汚さない ― 巣穴の習性と「がまんできる時間」
トイレの設計を考えるうえで、土台になる二つの事実があります。犬は本来、自分が休む場所を汚したがらないこと。そして、がまんできる時間には体の限界があることです。この二つを押さえると、置き場所も教え方も筋が通ります。
犬は寝床を汚したくない
アメリカンケネルクラブ(AKC)は、犬は自分の寝る場所を汚したがらない、と説明しています。犬には、落ち着ける小さな空間を自分の安心できる居場所にしようとする性質があり、その居場所のなかでは排泄を避けようとします。トイレのしつけや、クレート(屋根のある囲い)の練習は、この性質を利用しています。ただし、これはすべての犬に強く備わっているわけではありません。米国動物虐待防止協会(ASPCA)は、寝て食べる場所のなかで排泄するのが習慣になった環境で育つと、この性質が育ちにくいことにも触れています。「覚えない」のは、この土台がまだ整っていないサインのことがあります。考え方の全体像は犬のしつけ入門にまとめています。
がまんできる時間の目安
もう一つの土台が、排泄をがまんできる時間です。AKCは、子犬がトイレをがまんできる時間のおおよその目安として、「月齢に1を足した時間数」を挙げています(たとえば生後3か月なら4時間ほど)。これは目安で、その子の体調やその日の運動量によって変わります。小型犬は体が小さいぶん膀胱も小さく、大型犬より排泄の回数が多くなりがちです。成犬になっても、小型犬は大型犬にくらべてトイレが近めで、日中に何度も行きたくなる子もいます。これは異常ではなく、体の大きさによる自然なちがいです。月齢が進むにつれて、がまんできる時間は少しずつ延びていきます。眠っているあいだは排泄の衝動が起きにくいことも、VCA動物病院が説明しています。この「がまんできる時間」を超える前にトイレへ誘導するのが、失敗させない設計の出発点です。なお、急に回数が増えた・水を飲む量が増えたといった変化は、体の問題が関わることもあるため、あとの章で扱うように動物病院へ相談してください。
「覚えない」は性格でなく設計のズレ
寝床を汚したくない性質と、がまんできる時間。この二つに、家のトイレ環境が合っていないと、犬は「失敗するしかない」状況に置かれます。たとえば、寝床のすぐ横にトイレがある、留守のあいだにがまんできる時間を超えてしまう、といった具合です。つまり「覚えない」の多くは、性格や能力の問題ではなく、環境の設計がその子に合っていないだけです。だからこそ、犬を変えようとするより、環境を整えるほうが効きます。実際、出張の現場でも、犬に何かを教え込む前に、トイレの位置を動かし、留守の時間を見直しただけで、失敗が大きく減ることはよくあります。次の章から、その設計を具体的に見ていきます。
間取りに合わせたトイレ環境の設計
土台がわかれば、次は置き場所です。マンションは外にすぐ出られないぶん、室内のトイレ環境づくりが成功率を大きく左右します。ここは、出張トレーニングでご家庭を訪問したとき、最初に見直すところでもあります。
置き場所の三つの原則
VCA動物病院は、トイレの練習は迎えた初日から、一貫して始めるのがよいと述べています。置き場所の原則は三つです。静かで落ち着けること、犬がすぐ行けること、そして寝床や食事の場所から離すこと。寝床のそばにトイレがあると、犬は「寝る場所を汚したくない」性質との板ばさみになり、がまんしたり、別の場所を選んだりします。ASPCAは、覚えはじめは犬の行動範囲を、目が届く一つか二つの部屋に絞ることをすすめています。行動範囲が広すぎると、見ていないあいだの失敗が増えるためです。また、覚えるまでは、いったん決めた場所をころころ変えないことも大切です。場所が動くと、犬はどこで出せばよいか分からなくなり、せっかくの成功が積み上がりません。
間取り別の置き方
マンションは、外に出たいとき「今すぐ」連れ出すのがむずかしい住まいです。AKCも、集合住宅では外に出すまでの段取りがむずかしくなると説明し、室内トイレの活用をすすめています。ワンルームや1Kでは、寝床・食事・トイレが近くなりがちなので、家具やサークルで区切って、できるだけ離します。1LDK・2LDKでは、犬がふだん過ごす部屋に一か所、行きやすい場所を決めます。室内トイレには、シート式のトレー、囲いのある室内用トイレ、ベランダに置く人工芝のパッチなど、いくつかの形があります。どれも、犬の動線の上で、行きやすく見つけやすい位置に置くのがこつです。覚えはじめは、行き場所を一か所に決めきれないことがあります。その場合は、犬がよくいる場所の近くにトイレを複数置いて成功の機会を増やし、できるようになったら少しずつ数を減らしていきます。なお、小型犬は足ふきマットや玄関マットの感触をトイレシートと取りちがえ、その上で排泄してしまうことがあります。覚えるまでは、まぎらわしい敷物を一時的に片づけておくと、混乱を防げます。
サークル・クレートで動線をつくる
サークルやクレートは、失敗を防ぐ強い味方です。VCA動物病院は、クレートは犬が立って向きを変えて横になれる大きさがよく、「寝室ではなくベッドの大きさ」が目安だと述べています。広すぎると、片側で排泄し、もう片側で寝てしまうためです。これは、寝床を汚したくない性質を利用した設計です。ただし、クレートは万能ではありません。ASPCAは、強く吠え続ける・必死に出ようとするなど、苦痛のサインが出る犬には向かないとしています。米国の動物保護団体(Humane World/旧HSUS)は、生後6か月未満の子犬は一度に3〜4時間を超えてクレートに入れない、罰として使わない、とも示しています。犬のようすを見ながら、合う子には使い、合わない子にはサークルなどで代える、という見極めが大切です。サークルを使うときは、その中を「寝る場所」「水や食事の場所」「トイレ」にゆるく分けて配置すると、犬は寝食の場所を避けてトイレを選びやすくなります。広めのサークルの端にトイレ、反対側に寝床、というだけでも、成功率が変わってきます。クレートそのものに嫌がらず入れるようにする段階的な慣らし方は、犬のクレートトレーニングにまとめています。
失敗させない管理と、成功を積む教え方
環境が整ったら、教え方です。といっても、特別な技術はいりません。土台は「失敗を起こさせない管理」と「成功した瞬間にほめる」の二つだけです。この二つを最初にていねいにやると、あとがぐっと楽になります。
最初は「成功しか起きない」管理
米国獣医行動学会(AVSAB)は、ポジションステートメントのなかで、飛びつき・吠え・トイレといったよくある困りごとは、環境を適切に整え、望ましい行動を認めて伸ばすことで対応できる、と述べています。さらに、犬が正しい行動をとれるよう、あらかじめ場面を整えておくことの大切さも挙げています。具体的には、犬を「目の届くところで見ている」か「安全に区切った場所にいる」かのどちらかにしておきます。VCA動物病院も、この二つを基本のモードに挙げています。見ていられないときはサークルやクレートで区切り、失敗そのものを起こさせない。そして、さきほどの「がまんできる時間」を超える前に、トイレへ誘導します。最初の一〜二週間、失敗をほぼゼロにできると、犬は「ここで出すと良いことがある」だけを学べます。もし排泄の途中を見かけたら、おだやかに名前を呼んでトイレへ誘い、間に合わなくても叱りません。見ていない場所での失敗は、黙って片づけるだけにして、次は管理を見直します。失敗を「叱って減らす」のではなく「起こさせない」に意識を向けるのが、この時期のこつです。
タイミングで誘導して成功させる
誘導のタイミングには、見分けやすい型があります。AKCは、寝起き、食後(食べてから5〜30分ほど)、遊んだあとに排泄しやすいと説明しています。この前後で、トイレへ連れて行きます。水をたくさん飲んだあとも、しばらくして行きたくなる場面です。あわせて、ASPCAが挙げる「排泄前のサイン」も手がかりになります。においを嗅ぎながら歩く、その場でくるくる回る、後ろ足を少しこわばらせる、といったしぐさです。このサインが出たら、落ち着いてトイレへ誘います。何時にどこで出したかを数日メモにとり、その子が「いつ」出すかの型をつかむと、誘導がさらに当たりやすくなります。型がつかめると、行きたくなる少し前に先回りして誘導でき、失敗そのものが減っていきます。
成功した瞬間に、すぐほめる
トイレで排泄できたら、その場で、すぐにほめます。VCA動物病院は、ほめてごほうびを与えるのは、排泄した場所の近くで、出し終えた直後がよいと述べています。時間が空くと、犬は「何をほめられたのか」がつながりません。おだやかな声でほめ、小さなおやつを添えます。うまく回りはじめたら、ASPCAが言うように、行動範囲を少しずつ広げて、管理を薄くしていきます。あせって一気に自由にすると失敗が戻るので、成功が続いてから一段ずつ、が原則です。また、排泄しているあいだに「ワンツー」など決まった短い声をそっと添えておくと、その言葉が排泄の合図になり、あとから「ここでしてほしい」ときに促しやすくなります。声は静かにかけ、出し終えてからほめます。
トイレの設計や教え方は、その子の体つきや、お部屋の間取りによって変わります。「どこに置けばいいか分からない」「管理のはずし方が不安」といったときは、専門家といっしょに、お部屋を見ながら組み立てるのも一つの方法です。K9 Harmony では、犬がいちばん落ち着ける自宅で、その子と住まいに合ったトイレの設計を組み立てます。まずは体験から、お気軽にご相談ください。
つまずき別・設計から立て直す
順調に見えても、つまずくことはあります。どれもよくあることで、つまずいたからといって、それまでの積み重ねが無駄になるわけではありません。大事なのは、つまずきを「叱って直す」のではなく、「設計を見直す」視点で立て直すことです。下の表に、よくあるつまずきと、見直しの方向をまとめました。
| つまずき | よくある背景 | 設計からの見直し |
|---|---|---|
| はみ出す・的を外す | トレーが小さい・位置がずれている | 体に合う大きさにする・場所を変えない |
| シートを噛む・食べる | 退屈・かまってほしい | 管理と遊びの見直し・誤飲は受診 |
| 覚えたのに失敗する | 環境の変化・体調・未完成の学習 | 管理を一段戻す・体調を確認 |
| マーキング | 不安・環境の変化・性成熟 | まず受診・叱らない |
| 留守番中だけ失敗 | がまんの限界・ひとりへの不安 | 時間と環境の設計(次章) |
はみ出す・シートを噛む
トイレからはみ出すときは、トレーが体に対して小さい、置き場所がずれている、ということがよくあります。AKCは、囲いが大きすぎると犬が片側で排泄し、もう片側で寝てしまう、と説明しています。小型犬は的が小さいぶん、トレーの大きさと位置が合っているかを、まず見直します。シートを噛む・食べるのは、退屈やかまってほしさの表れのことがあります。管理と遊びの量を見直し、噛んでも届かない置き方にします。シートに直接さわりにくいメッシュのカバー付きトレーなど、形を変える方法もあります。布やシートの誤飲はおなかの不調につながることがあるため、飲み込んだようすがあれば、様子を見ずにかかりつけの動物病院(獣医師)へ相談してください。
覚えたのに失敗・逆戻り
いったん覚えたのに、失敗が戻ることもあります。VCA動物病院は、迎えてからずっと、ときどきでも室内で失敗が続いているなら、まだ完全には覚えていない、と説明しています。引っ越しや家族の変化など、環境が変わったときにも戻ることがあります。こうしたときは、叱るのではなく、最初の「失敗させない管理」に一段戻します。あわせてVCAは、若く社会経験の浅い犬に見られる、服従や興奮のときの少量の排尿にも触れています。これは意図的なものではなく、犬が自分で抑えられないものです。強く叱ると、かえって不安から悪くなります。急に始まった失敗は、次章の体調の確認もあわせて行います。
マーキング
足を上げて少量の尿をあちこちに付けるマーキングは、VCA動物病院によれば正常な行動で、去勢していないオスにとくに多く見られます。去勢で減ることはありますが、完全になくなるとはかぎりません。新しい人や犬、模様替えなど、不安や環境の変化が引き金になることもあります。大切なのは、叱って驚かせないことです。罰は不安を生み、かえってマーキングを強めることがあります。室内でくりかえし排尿するときは、まず動物病院で体の病気がないかを確かめてもらいます。気になるようすがあれば、かかりつけの動物病院(獣医師)へ相談してください。
留守番中の失敗と、近隣への配慮
マンションで気になりやすいのが、留守番中の失敗と、においや音への近隣配慮です。どちらも、設計でやわらげられます。
留守番中に失敗するとき
留守のあいだだけ失敗するときは、二つの背景が重なりがちです。一つは、がまんできる時間を超えていること。もう一つは、ひとりへの不安です。前者は、室内トイレを使える設計にして、出かける前に排泄をすませ、留守の長さを少しずつ延ばしていきます。子犬や小型犬は、さきほどの「月齢に1を足した時間」を目安に、無理のない範囲にとどめます。後者の、ひとりへの強い不安があるときは、ごく短い不在から慣らす、出入りを大げさにしない、といった積み重ねが要ります。留守のたびに激しく鳴く・物をこわす・粗相をするが重なるときは、独力で抱えこまず、獣医や専門家に相談します。長い留守が続くときは、日中にだれかに来てもらってトイレと運動の機会をつくる、室内トイレを複数にしておく、といった設計で、がまんの限界を超えさせない工夫も役立ちます。子犬期からの慣らし方は子犬の社会化に、ひとりで過ごす留守番の作り方はトイプードルの留守番に、それぞれまとめています。
におい・音への近隣配慮
集合住宅では、トイレのにおいが気になります。VCA動物病院は、尿や便のにおいが残ると、それが「またここで」という合図になり、同じ場所での排泄をくりかえす、と説明しています。失敗した場所は、においのもとを分解するタイプのクリーナー(酵素系)でしっかりにおいを消すと、再発を防ぎやすくなります。ふだんのにおい対策には、こまめなシート交換と、囲いのある室内用トイレが役立ちます。市販の消臭スプレーでにおいを上から隠すだけでは、犬には元のにおいが残ることがあります。隠すのではなく、分解して消すのがこつです。フローリングにしみこむ前に早めにふきとり、吸収力のあるシートを選ぶと、後始末も楽になります。足音や鳴き声をふくめた近隣への配慮全般はマンションで犬と暮らすにまとめています。
体調・加齢が関わる粗相 ― 医療を見落とさない
トイレの失敗は、しつけや環境だけでなく、体の状態が関わっていることもあります。とくに「急に」「これまでできていたのに」という変化は、見落とさないようにします。
急な粗相・頻尿・多飲多尿は受診の目安
VCA動物病院は、室内での失敗、とくに急に始まった失敗は、まず動物病院で体の病気がないかを確かめることが大切だと述べています。おしっこの回数が増えた、量や色が変わった、水を飲む量が増えた、おしっこのときに痛がる。こうしたサインがあるときは、しつけの問題と決めつけません。VCAは、尿の通り道の炎症や感染、尿の量が増える病気などが、室内の失敗の背景にあることを挙げています。ここでは病名を判断せず、まず体の問題がないかを確かめることが先です。気になる変化や違和感があれば、様子を見すぎず、かかりつけの動物病院(獣医師)へ相談してください。診断や治療は獣医師の役割です。
高齢の犬の変化
年をとった犬では、トイレのようすが変わることがあります。VCA動物病院は、横になっているときに尿がもれる高齢の犬で、ホルモンに関わる尿もれが見られることに触れています。加齢にともなう体の変化が、排泄に影響することがあるためです。これまでできていたことがむずかしくなってきたら、年のせいと片づけず、動物病院でみてもらいます。体の問題がないかを確かめたうえで、トイレの位置を犬の寝床の近くにする、トレーの縁を低くして出入りしやすくする、夜間にも行きやすいよう足元を明るくするなど、その子の体に合わせて環境を整えていきます。年齢を重ねた犬には、若いころと同じ設計が合わなくなることもあるため、ようすを見ながら少しずつ調整します。気になる変化があれば、かかりつけの動物病院(獣医師)へ相談してください。
飼い始めの方からよくある質問
トイレのしつけについて、飼い始めの方からよく出る質問に、ここまでの内容をもとにまとめて答えます。
Q. 小型犬はなぜトイレを覚えにくいのですか?
覚えが悪いわけではありません。小型犬は体が小さく膀胱も小さいため排泄の回数が多く、外にすぐ出られない住まいでは、失敗しやすい条件が重なります。だからこそ、室内トイレを行きやすい場所に置き、がまんできる時間を超える前に誘導する、という設計が効きます。性格ではなく環境の問題として組み立て直すと、ぐっと進みやすくなります。焦らず、その子の体のリズムに合わせることが、いちばんの近道です。
Q. マンションでトイレはどこに置けばいいですか?
静かで、犬がすぐ行けて、寝床や食事の場所から離れた位置が原則です。ワンルームでは家具やサークルで寝床と区切り、できるだけ離します。外にすぐ出られないぶん、シート式のトレーや囲いのある室内用トイレ、ベランダの人工芝など、室内の選択肢を活用します。犬がふだん通る動線の上に置くと、行きそびれが減ります。玄関やベランダなど、出入りのついでに行ける場所も、候補になります。
Q. 何日くらいで覚えますか?
その子の月齢・性格・暮らしによって大きくちがうため、何日と決まったものはありません。大切なのは日数より、失敗を起こさせない管理を続け、成功だけを積ませることです。成功が続いてから、少しずつ自由を広げます。あせって一気に自由にすると、失敗が戻ります。
Q. 失敗を見つけたら叱ったほうがいいですか?
叱らないほうが、結果は良くなります。ASPCAは、時間がたった失敗を叱っても犬は理解できず、人を怖がるようになるだけだと説明しています。VCAも、鼻をこすりつけたり叩いたりしてはいけないとしています。失敗は、騒がず黙って片づけ、酵素系のクリーナーでにおいを消し、次は管理を見直す。これがいちばんの近道です。
Q. 成犬やトイプードルでも覚え直せますか?
覚え直せます。VCA動物病院は、トイレの練習は迎えた初日から、成犬でも始められるとしています。やり方は子犬と同じで、失敗させない管理と、成功した瞬間のごほうびです。覚えたのに失敗が戻った場合も、管理を一段戻し、急な変化なら体調も確認します。あせらず、その子のペースで積み直していきます。
Q. トイレと寝床はどれくらい離せばいいですか?
決まった距離があるわけではありませんが、犬が寝る場所と食事の場所から、はっきり分かれていると分かる程度には離します。ワンルームなら、サークルの対角や、家具で仕切った反対側など、「ここは別の場所」と犬が感じられる配置がよい目安です。近すぎると、寝床を汚したくない性質との板ばさみになり、がまんや別の場所での排泄につながります。
まとめ ― 失敗させない設計で、成功を積む
マンションの小型犬がトイレを失敗するのは、しつけ不足でも性格でもありません。体の小ささと住まいの条件が重なって、失敗しやすいだけです。犬は本来、寝る場所を汚したがらず、がまんできる時間には限界があります。この土台に合わせて、行きやすい場所にトイレを置き、失敗させない管理で成功だけを積ませる。これが、叱らないトイレのしつけの背骨です。小型犬でも、成犬でも、保護犬でも、この順番は変わりません。板橋でトイプードルと暮らす全体像は、板橋区のトイプードルにまとめています。迎えて最初の1週間全体の過ごし方は子犬を迎えた最初の1週間にまとめています。場所と結びついた記憶と学習の仕組みは犬の記憶の仕組みにまとめています。
急に粗相が増えた、回数や量が変わった、水をたくさん飲むようになった、といった変化は、体の問題が関わることもあります。様子を見すぎず、動物病院に相談してください。考え方の全体像は犬のしつけ入門に、子犬期の関わりは子犬の社会化に、住まいの近隣配慮はマンションで犬と暮らすにまとめています。一人で悩むときは、専門家の手を借りることも、立派な選択です。
参考にした情報(動物行動学・獣医団体・公的機関)
この記事の説明と設計は、つぎの一次情報をもとにまとめています。本記事は米国獣医行動学会(AVSAB)・獣医団体・大学・公的機関などの一次情報をもとにしており、最新の内容は各公式で確かめてください。診断・治療は動物病院(獣医師)の役割です。気になる変化や違和感があれば、かかりつけの動物病院にご相談ください。出典の一覧は、下の「出典一覧」を開くと表示されます。
出典一覧(クリックで開く)
- AVSAB「Position Statement on Humane Dog Training」(2021)(参照:2026-06)
- ASPCA「House Training Your Dog or Puppy」(参照:2026-06)
- VCA Animal Hospitals「Housetraining for Puppies and Dogs」(参照:2026-06)
- VCA Animal Hospitals「Crate Training and Confinement for Puppies and Dogs」(参照:2026-06)
- Humane World for Animals(旧HSUS)「Crate Training 101」(参照:2026-06)
- AKC「Puppy Potty Training Schedule」(参照:2026-06)
- AKC「Crate Training Benefits」(参照:2026-06)
- AKC「Puppy Going Potty in Crate」(参照:2026-06)
- AKC「How to Potty Train a Dog When You Live in an Apartment」(参照:2026-06)
- VCA Animal Hospitals「Marking Behavior」(参照:2026-06)
- VCA Animal Hospitals「House Soiling」(参照:2026-06)
- VCA Animal Hospitals「Testing for Inappropriate Urination」(参照:2026-06)
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