東京都北区は、荒川や隅田川にいだかれ、王子・赤羽・滝野川といった街がならぶ地域です。下町のにぎわいと、マンションでの暮らしが入りまじり、犬とともに歩く人の姿も多く見かけます。この記事では、北区で犬を迎えた飼い主が知っておきたいことを、手続きから毎日の暮らしまで、順を追って整理します。
犬と暮らすときに最初に整理しておきたいのは、大きく分けてふたつです。ひとつは、法律で決められた手続き(登録と狂犬病予防注射)。もうひとつは、地域で気持ちよく暮らすためのマナーと備えです。手続きには、全国でおなじルールと、北区ならではの窓口や運用が混じっています。はじめて犬を迎えた家庭ほど、どこから手をつければよいのか分かりにくくなりがちです。
料金や手続きの細かいところは年度で変わることがあるため、最後の確認先として北区の公式ページもあわせて案内します。なお、この記事は一般的な情報の整理で、それぞれの手続きの可否は各窓口の判断によります。
北区では、令和6年度の時点で約9,400頭の犬が登録されています。それだけ多くの犬と飼い主が、この街で暮らしているということです。だからこそ、一人ひとりが手続きとマナーを守ることが、犬と人がともに心地よくすごせる地域につながります。はじめて犬を迎えた家庭は、まずこの記事を「最初の地図」として使ってください。
王子の駅前、赤羽の商店街、滝野川の住宅地、そして荒川の土手。北区には、犬と歩きたくなる景色がいくつもあります。にぎやかな通りもあれば、静かな住宅地もあり、暮らし方によって散歩のスタイルも変わります。地域の手続きとマナーを押さえておけば、どの街でも安心して犬と歩けます。
北区で犬を迎えたら、まずすること(登録と狂犬病予防注射)
犬を迎えたら、飼い主には法律で決められた手続きがあります。これは北区にかぎらず、日本のどこでもおなじ義務で、よりどころは「狂犬病予防法」という法律です。柱は、犬の登録と、年に一度の予防注射のふたつです。
犬の登録と狂犬病予防注射(全国共通の義務)
生後91日以上の犬を飼いはじめたら、迎えた日から30日以内に、住んでいる市区町村へ登録します。登録は生涯に一度で、すませると「鑑札(かんさつ)」という標識が交付されます。あわせて、飼い犬には年に一度、狂犬病の予防注射を受けさせる義務があり、注射を受けると「注射済票(ちゅうしゃずみひょう)」が交付されます。鑑札は一度きり、注射済票は毎年あたらしくなる、と整理すると分かりやすくなります。交付された鑑札と注射済票は、迷子のときに飼い主へたどり着く手がかりにもなるため、犬に着けておきます。
鑑札や注射済票を首輪に着けるのをためらう家庭もあります。見た目が気になる、音が鳴る、という理由です。いまは軽くて小さいものや、音の出にくいケースもあります。どうしても着けにくいときは、散歩のときだけでも身につけておくと、万一はぐれたときの助けになります。番号から飼い主の情報をたどれるしくみのため、迷子の備えとしても役立ちます。はじめての手続きで迷ったら、保健所の生活衛生課に電話で聞くと、必要な持ち物や流れを教えてもらえます。
北区の窓口と手数料
北区では、これらの手続きを保健所の生活衛生課が担当しています(東十条/電話 03-3919-0431)。保健所の窓口のほか、王子・赤羽・滝野川の各区民事務所でも受け付けています。手数料は、犬の登録が1頭3,000円、注射済票の交付が550円、鑑札をなくしたときの再交付が1,600円、注射済票の再交付が340円です。北区では支払いが現金のみと案内されています(執筆時点。最新の金額と受付方法は北区の公式ページで確認してください)。
| 手続き | 手数料(執筆時点・北区) |
|---|---|
| 犬の登録(生涯一度) | 1頭 3,000円 |
| 注射済票の交付(毎年) | 550円 |
| 鑑札の再交付 | 1頭 1,600円 |
| 注射済票の再交付 | 340円 |
毎年4月ごろの集合注射
北区では、毎年4月ごろに、狂犬病予防注射の集合注射が行われています。会場で接種を受けると、その場で注射済票の交付もあわせて受けられます。会場や日にちは年度ごとに変わるため、その年の区の案内を確認してください。集合注射のほか、かかりつけの動物病院での接種、区の窓口での手続きでも、注射済票は交付されます。自分の暮らしに合った方法をえらべます。仕事や子育てで日中に時間が取りにくい家庭は、かかりつけの動物病院で接種と交付をまとめてすませると、一度で済んで便利です。王子・赤羽・滝野川の区民事務所は身近な場所にあるため、用事のついでに立ち寄りやすい利点もあります。
こうした手続きは、ただの決まりごとではありません。狂犬病は、発症するとほとんど助からない、こわい病気で、人にもうつります。日本では長いあいだ発生していませんが、それは多くの飼い主が毎年きちんと注射をつづけてきたからです。一頭一頭の手続きが、地域ぜんたいを守るはたらきをしています。登録も、迷子になったときに飼い主のもとへもどすための、大事なしくみです。
狂犬病予防注射は、毎年4月から6月ごろが接種の時期です。この期間に区から案内が届くことが多いため、忘れないうちに、かかりつけの動物病院や集合注射の会場で受けておきます。注射のあとは、まれに体調を崩すこともあるため、接種後はしばらく犬のようすを見て、変わったことがあれば動物病院に相談します。
マイクロチップと「鑑札みなし」— 北区も特例に参加
近ごろよく耳にするマイクロチップについても、整理しておきます。2022年6月から、ブリーダーやペットショップが販売する犬と猫には、マイクロチップの装着が義務づけられました。これから売られる子犬は、装着ずみで迎えることになります。すでに飼っている犬への後付けは、義務ではなく努力義務です。販売業者から装着ずみの犬を迎えた飼い主は、迎えてから30日以内に、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」へ、飼い主の情報を登録します。
北区は、マイクロチップに関する狂犬病予防法の特例(ワンストップ)に参加しています。環境省のデータベースへ登録すれば、マイクロチップが「鑑札」とみなされて鑑札は交付されず、区の窓口での登録手続きも不要になります。手続きが一本にまとまるため、飼い主の負担が軽くなります。
ただし、ここに間違えやすい点があります。マイクロチップが鑑札のかわりになっても、毎年の狂犬病予防注射と、その注射済票の交付手続きは、これまでどおり必要です。「マイクロチップを登録したから、もう何もしなくてよい」ということにはなりません。一本にまとまるのは鑑札の部分だけ、と覚えておいてください。マイクロチップは、災害ではぐれたときの身元確認にも役立ちます。義務かどうかにかかわらず、装着と登録を考えるときは、かかりつけの動物病院に相談すると、体への負担もふくめて教えてもらえます。
すでにトイプードルや小型犬と暮らしている家庭では、あわてて付け直すことはいりません。あたらしく子犬を迎えるときに、その子に入っているマイクロチップの情報を、自分の名前へ切りかえる。この流れを覚えておけば十分です。首輪や鑑札は外れることがありますが、体の中のチップは外れません。万一はぐれたときに、再会の手がかりがひとつ増える、と考えておくとよいです。
環境省への登録は、引っ越しや飼い主が変わったときにも、情報を新しくします。登録はオンラインでできます。マイクロチップを入れるかどうか迷うときは、かかりつけの動物病院に相談すると、体への負担や、その後の手続きも教えてもらえます。装着は義務ではなく努力義務ですが、迷子や災害のときの備えとして、知ったうえで考えておくとよいです。
引っ越し・登録内容が変わったとき、犬が亡くなったとき
犬と暮らしていると、住所が変わる、飼い主が変わる、そして犬を看取る、といった節目がおとずれます。こうしたときにも届け出が必要です。登録した内容に変更があったとき(飼い主の住所や犬のいる場所が変わったときなど)、または犬が亡くなったときは、30日以内に市区町村へ届け出ます。これは狂犬病予防法で決められた、全国でおなじ手続きです。区の外へ引っ越すときは、引っ越し先の市区町村での手続きが必要になります。
北区での具体的な届け出の方法は、保健所の生活衛生課や、王子・赤羽・滝野川の区民事務所が窓口です。届け出のときに鑑札の番号が必要になることがあるため、手元に控えておくと手続きがスムーズです。知り合いから犬をゆずり受けたときも、飼い主の変更として手続きをします。マイクロチップが入っている犬なら、環境省への変更登録もあわせて行います。犬を看取ったあとの手続きは、気持ちの整理がつかないなかで行うことになりますが、忘れずにすませておくと、つぎの年からの案内が正しく止まります。
どの手続きも、「30日以内」がひとつの目安です。住所が変わる、家族が増える、犬を迎える・見送る——暮らしの節目があったら、早めに動いておくと、あとであわてずにすみます。北区の中で引っ越すときも、犬のいる場所の変更として届け出ます。区の外へ移るときは、新しい住所の市区町村で手続きをします。届け出のときに鑑札の番号が必要になることがあるため、番号は手元に控えておくと安心です。登録や手続きの書類は、一か所にまとめておくと、いざというときにすぐ取り出せます。
毎日の散歩と公共マナー(北区の案内)
犬との暮らしで毎日つづくのが散歩です。北区は、犬の飼い主に向けて、ふんの持ち帰りやリードの使い方を案内しています。北区には犬のふんに特化した区独自の条例はなく、案内のよりどころは東京都の「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」です。この条例は、公共の場所などを汚さないこと、放し飼いをしないこと(係留)を、飼い主のつとめとして定めています。
ふんは持ち帰る・リードは短めに
北区の案内では、ふんは片づけて自宅に持ち帰ること、犬にはリードをつけて短めにしっかり持つことが呼びかけられています。散歩のときは、ふんを入れるふくろと、おしっこを流すための水を持ち歩くしゅうかんをつけておくと安心です。区に寄せられる苦情には、放し飼いやノーリードも挙げられています。どんなにおとなしい犬でも、外ではリードをつけるのが基本です。これは、ほかの人や犬とのもめごとをふせぐだけでなく、犬じしんを交通事故や思わぬ飛び出しから守ることにもつながります。
マナーは「しつけ」とセットで
拾い食いをしない、人や犬に飛びつかない、よべばもどる——こうした散歩中のマナーは、日ごろのしつけと地つづきです。引っぱりや飛びつきは、叱って抑えこむのではなく、のぞましい行動を教えてのばすほうが、犬にも飼い主にも無理がありません。たとえば、飼い主のよこを歩けたらほめる、落ち着けたらおやつをわたす、という積み重ねで、散歩は少しずつ穏やかになります。くわしい教え方は、動物行動学にもとづく犬のしつけ入門で解説しています。夏の暑い時期は、路面の熱さや時間帯にも気を配ります(犬の夏のケア)。
拾い食いも、散歩でよくある困りごとです。まず大切なのは、拾えない環境にすることです。リードを短めに持ち、危ないものに近づけないようにします。そのうえで、落ちているものを口にする前に名前をよんで気をそらし、こちらを見たらほめる、という練習をくりかえします。もし、たまねぎ・チョコレート・薬・とがったものなどを口にしたうたがいがあるときは、すぐにかかりつけの動物病院へ連絡します。
荒川や隅田川の河川敷、街なかの公園など、北区には散歩に向いた場所が点在しています。夜の散歩では、車や自転車から犬が見えにくくなるため、明るい色のリードや光るグッズで見えやすくしておくと安全です。すれ違う人や犬への配慮も、地域で穏やかに暮らすための土台になります。
散歩に出る前に、かんたんなチェックをしておくと安心です。
- 地面を手でさわって、熱くないか(とくに夏)。
- 水と、ふんを入れるふくろを持ったか。
- リードと、鑑札・注射済票を着けたか。
- 夜は、見えやすいグッズを着けたか。
- 犬が行きたがっているか(体調がわるい日は無理をしない)。
すれ違うときは、相手の人や犬との間に少し距離をとります。犬が飛びつきそうなら、リードを短く持ち、おすわりや「まて」で落ち着かせます。苦手な相手とは、無理に近づけません。北区は人通りの多い場所も多いため、こうした配慮がトラブルを未然にふせぎます。
公園では、犬が苦手な人や、小さな子どももいます。ノーリードにしない、ほかの利用者のじゃまにならない場所を選ぶ、といった配慮が、地域での信頼につながります。犬と入れる場所かどうか、ルールを確かめてから利用します。荒川の河川敷など広い場所でも、リードは外さないのが基本です。
北区で犬と楽しめる場所・施設の選び方
北区には、犬と利用できる場所やサービスがいろいろあります。ここでは、選ぶときに見ておきたい目のつけどころを整理します。自分の犬の性格や年れいに合うかどうかを軸にえらぶと、失敗がへります。
荒川沿いのドッグラン
北区には、荒川の河川敷に「荒川岩淵関緑地ドッグラン」があります。無料で、利用には事前の登録が必要です。10kg未満と10kg以上でエリアが分かれ、利用には狂犬病の注射済票と、獣医師による注射済みの証明が必要です。生後4か月未満の子犬は利用できません。はじめてドッグランを使うときは、すいている時間に短くためすと、犬のようすを見ながら慣らせます。ほかの犬が苦手な子は、無理に入れず、外からながめることから始めてもかまいません。
ドッグランは、すべての犬に向くわけではありません。中に入ってから、こわがって固まる、しっぽを巻く、隠れようとする、といったサインが出たら、無理をせず切り上げます。楽しくすごせているかどうかを、いちばんのものさしにします。利用前に他の犬のようすを外から見せて、落ち着いていられるかを確かめると、はじめてでも安心です。
ドッグランを使うときは、狂犬病の注射済票や接種の記録を持っていきます。水やタオル、ふんを片づけるふくろも用意します。遊んだあとは体を見て、けがやダニがないかを確かめると安心です。
動物病院・トリミング・しつけ教室の選び方
動物病院は、通いやすさが大切です。夜間や救急にこたえてくれるか、説明のていねいさを見て、日ごろから相談しやすい関係をつくっておくと、いざというときに頼れます。トリミングは、衛生管理に加えて、こわがりの犬や高齢の犬に無理のない進め方をしてくれるかを見ます。しつけ教室やトレーニングは、指導の方針をたしかめます。陽性強化(のぞましい行動をほめてのばすやり方)など、科学的なよりどころにもとづいているか、体罰や強い叱りに頼っていないかが、見きわめの軸になります。指導方針の見分け方は、犬のしつけの手法も参考になります。これらは一般的な目のつけどころで、最後はそれぞれの方針と自分の犬との相性で判断してください。
ペット可の施設・無理のない選び方
カフェや宿泊施設などを使うときは、受け入れの条件(ワクチン・サイズ・頭数)やマナーのきまりを、あらかじめたしかめます。まわりには犬が苦手な人もいるため、落ち着いてすごせるよう、ふだんからの慣らしが役立ちます。施設やサービスは、使えば使うほど費用もかかります。すべてを使う必要はありません。うちの犬には何がいちばん合うのかを考えて、優先順位をつけてえらびます。お金をかけることよりも、犬が安心して楽しくすごせているかが、いちばんのものさしです。
動物病院は、具合がわるくなってから探すより、元気なうちに一度受診して、相性をたしかめておくと安心です。予防の医療や健康診断について相談できる関係をつくっておくと、年をかさねたときにも頼れます。夏は熱中症、梅雨どきは皮膚のトラブルなど、季節ごとの注意も教えてもらえます。
災害に備える — 北区のペット同行避難
地震や風水害は、犬と暮らす家庭にとっても、ひとごとではありません。北区は、災害のときにペットをつれて避難する「同行避難」を、すべての避難所で受け入れる方針を定めています。いざというときに迷わないよう、ふだんから備えておきます。
同行避難は「同じ部屋」ではない
同行避難とは、ペットと一緒に避難所まで避難する行動のことで、避難所で人とペットが同じ空間で生活すること(同室飼養)を意味しません。北区では、ペットの受け入れは原則として屋内の、人の居住スペースから離れた場所になります。この点を知らないと現地で戸惑うため、あらかじめ分かっておきます。飼い主は、ケージや餌・水を用意し、世話はすべて自分で行います。犬は狂犬病の予防接種をすませていることが前提で、基本的なしつけも求められます。
同行避難にそなえて、用意しておきたいものを整理します。
- ケージやキャリー、リードと首輪。
- 餌と水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)と食器。
- トイレ用品、ゴミ袋。
- 常備薬・療法食(必要な犬は多めに)。
- 鑑札・注射済票・迷子札、犬の写真、飼い主の連絡先。
日ごろの備え
餌・水・トイレ用品などは、少なくとも5日分、できれば7日分以上をたくわえておきます。これは国(環境省)の目安とも一致します。はぐれたときのために、マイクロチップや迷子札で、その子を見分けられるようにしておきます。ケージに入ることを嫌がる犬は、避難先で大きなストレスを受けます。ふだんからケージを「安心できる居場所」にしておくと、災害のときの負担が軽くなります。北区は防災のポータルでも情報を発信しているため、一度目を通して、家庭の備えに反映しておくと安心です。夏の災害では暑さ対策も欠かせません(犬の夏のケア)。
たくわえは、一度そろえて終わりではありません。餌や水には消費の期限があります。半年に一度など、日を決めて中身を見直し、古いものから日ごろの食事に使って入れかえると、いつでもあたらしい状態で備えられます。人の防災グッズを見直すときに、犬のぶんもいっしょにそろえておくと、忘れずにすみます。
地域の避難所がどこか、ペットの受け入れがどうなっているかは、災害が起きる前に確かめておきます。北区の防災ポータルや、お住まいの地域の案内で、いざというときの動きを家族で共有しておくと安心です。
避難所に行くことだけが、災害への備えではありません。自宅が安全なら、そのまま自宅ですごす「在宅避難」も、犬にとっては落ち着けるえらび方です。どちらをえらぶにしても、餌や水のたくわえ、トイレ用品の用意は欠かせません。ふだんから、犬が決まった場所で安心してすごせるようにしておくことが、在宅でも避難所でも、いちばんの支えになります。
避難所では、ほかの避難者への配慮も大切です。鳴き声やにおい、アレルギーのある人もいます。ふだんからケージに慣らし、無駄な鳴きを減らし、清潔をたもつことが、犬と飼い主の両方を守ります。これも、日ごろのしつけがそのまま備えになる例です。
なお北区では、荒川がはんらんするような大規模な水害のとき、家の上の階への「垂直避難」ではなく、遠くの高台へ早めに動くことが必要になります。荒川用の「高台水害対応避難場所」と、石神井川・土砂災害用の「水害対応避難場所」のちがい、地震の危険度、犬とのそなえの具体的な進め方は、北区で愛犬と防災(荒川の氾濫と同行避難のそなえ)の記事でくわしくまとめています。
集合住宅で犬と心地よく暮らすために
北区は、マンションなどの集合住宅も多い地域です。近所とのきょりが近いぶん、音やにおい、共用部でのふるまいに気づかいがいります。ここは、地域で長く穏やかに暮らすための土台になる部分です。
吠え声と共用部のマナー
犬の吠えは、たいくつ・不安・警戒など、理由があって起こります。うるさいからと叱って抑えこむより、なぜ吠えるのかを見て、その理由に手当てするほうが、根っこからの解決に近づきます。たとえば、外の物音に反応するなら、外が見えない・聞こえにくい工夫をする。留守番が苦手なら、短い時間から少しずつ慣らす。こうした考え方は、しつけ入門でくわしくあつかっています。エントランスやエレベーターは、犬が苦手な住民も使う場所です。だっこするか、リードを短く持ち、飛びつかないようにします。
においと清潔・子犬のころから
室内のトイレを清潔にたもち、換気やこまめなそうじで、においをおさえます。来客のときにも気持ちよくすごせるよう、日ごろからの手入れが役立ちます。子犬のうちからトイレの場所や生活のリズムを覚えてもらう進め方は、子犬の社会化の記事も参考になります。早いうちから整えておくと、集合住宅での暮らしが、ぐっと楽になります。
宅配や来客のときに、玄関ではげしく吠える犬は多いものです。チャイムが鳴るたびに吠えるなら、チャイムの音と「よいこと」を結びつける練習が役立ちます。音が鳴ったらおやつをわたす、をつづけると、チャイム=こわいもの、という結びつきがゆるんでいきます。賃貸の集合住宅では、退去のときの原状回復も気になるところです。柱やかべをかじるくせがある犬には、かじってよいおもちゃを用意して、家具とのちがいを早めに教えておくと安心です。集合住宅では足音もつたわりやすいため、走りまわりすぎないよう、運動は散歩や遊びでみたしておきます。
においへの気づかいは、自分では気づきにくいものです。来客に「気になりませんか」とたずねてみる、消臭ざいに頼りすぎず換気を基本にする、といった工夫が役立ちます。犬の体やベッドを清潔にたもつことも、においをおさえるうえで効果があります。
日ごろから、ご近所にあいさつをしておくと、犬のことも理解してもらいやすくなります。気になることがあれば早めに声をかけてもらえる関係が、トラブルを大きくしないコツです。集合住宅では、入居のときの規約(飼える犬の大きさ・頭数など)も、あらかじめ確かめておきます。近隣との関係は、犬と暮らすうえでの大きな支えになります。配慮を重ねることが、めぐりめぐって、犬と暮らしやすい環境を自分でつくることにつながります。
まとめ ― 手続きは公式でたしかめ、暮らしの土台はしつけ
北区で犬と暮らすときの土台は、大きくふたつです。ひとつは、登録と狂犬病予防注射という全国共通の手続きを、北区の窓口・料金にそって正しくすませること。もうひとつは、散歩マナーや防災、集合住宅での気づかいといった、地域で穏やかに暮らすためのしゅうかんです。手続きの料金や運用は年度で変わることがあるため、最後の確認は北区の公式ページで行ってください。そして、これらの暮らしをささえるのが、日ごろのしつけです。吠えや引っぱりといった困りごとは、叱って抑えるのではなく、理由を見て、のぞましい行動をそだてることで、犬にも家族にも無理なくよくなっていきます。
手続きやマナーで分からないことは、北区の公式ページや保健所の生活衛生課にたずねるのが確実です。犬の体調や病気のことは、かかりつけの動物病院に。しつけや行動の困りごとは、科学的なよりどころにもとづいて教えてくれる専門家に。困りごとの種類によって相談先を使い分けると、答えにたどり着きやすくなります。一人でかかえこまず、早めに頼れる先を見つけておくことが、犬との暮らしを楽にします。
北区で犬と暮らすことは、手続きから始まり、毎日のマナーや備えへとつづいていきます。どれもむずかしいことではありません。ひとつずつ意味を知って取り組めば、自然と身についていきます。犬と人がともに心地よく暮らせる街に、この記事を役立ててください。
- 板橋区で犬と暮らす——となりの板橋区版(手続き・マナー・防災)
- 豊島区で犬と暮らす——となりの豊島区版(手続き・マナー・防災)
- 練馬区で犬と暮らす——みどりの多い練馬区版(手続き・マナー・防災)
- マンションで犬と暮らす——足音・におい・共用部マナーなど集合住宅の近隣配慮
- 犬の夏のケア——熱中症・散歩・室内対策から防災まで
- 動物行動学にもとづく犬のしつけ入門——しつけの全体像
- 子犬の社会化——子犬のころの関わり方
- 犬のしつけの手法——手法のえらび方
参考にした公式情報
この記事の手続き・制度・条例は、つぎの公式情報をもとにまとめています。最新の内容は各公式ページでたしかめてください。
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K9 Harmony は、板橋区を中心に、北区など近隣区へも出張型のドッグトレーニングに伺います(出張費は距離に応じて)。集合住宅での吠えや、散歩でのマナーなど、暮らしに根ざした困りごとも、ご家庭の状況に合わせていっしょに整理します。犬がいちばん落ち着ける自宅で進められるのが、出張型の利点です。まずは体験から、お気軽にご相談ください。