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犬が散歩で引っぱるのはなぜ? ― 小型犬の「ゆるいリード」の育て方

共働きで、マンションでトイプードルなどの小型犬と暮らしていると、散歩のたびに、リードをぐいぐい引っぱられて、腕も気もちも引っぱられる——そんな悩みは少なくありません。先に、この記事の答えをお伝えします。引っぱりは、しつけの失敗でも、気の強さでもありません。「引っぱると前に進める」という経験を、犬がくり返し学んでしまった結果です。だから直し方の芯は、引っぱっても進まない、ゆるめると進める、という関係を、根気よく作りなおすことです。力で止めるのではなく、たるんだ「ゆるいリード」を育てていきます。

とくに小型犬では、道具選びが大切です。首の細いトイプードルのような犬が、首輪でぐいぐい引くと、首や気管に負担がかかります。この記事では、なぜ引っぱるのかという理由から、首と気管を守る道具の選び方、引っぱらせない歩き方の実際、においを楽しむ散歩との両立、そしてマンション暮らしの現実的な工夫まで、順に見ていきます。なお、乾いた咳や、呼吸のようすが気になるときは、しつけの前に、かかりつけの動物病院(獣医師)に相談してください。この記事は、診断や治療の代わりにはなりません。

散歩は、住まいの近隣への配慮ともつながります。マンションでの近隣配慮全般はマンションで犬と暮らすに、散歩中に落ちている物を口に入れる拾い食いの防ぎ方は犬の拾い食い・誤食にまとめています。この記事は、その散歩を「引っぱらない」形に整えることに絞ってお話しします。

なぜ犬は散歩で引っぱるのか

引っぱりを直す前に、なぜ犬が散歩で引っ張るのかを知っておくと、打ち手の順番が見えてきます。引っぱりは、直そうとするほどこじれることがあります。その理由は、犬にとって引っぱることが「うまくいく方法」になっているからです。

犬は、人よりずっと前へ進みたい

そもそも犬は、人よりもずっと速く、前へ前へと歩きたい生き物です。米国ケネルクラブ(AKC)は、犬が引っぱるのは、犬が歩きたいからで、それがそもそもの理由だ、と解説しています。人の歩く速さは、犬にとってはゆっくりすぎることが多く、それも引っぱる一因だ、とも述べています。散歩は、犬にとって、においをかぎ、外の世界を読み取る、刺激にあふれた時間です。その世界へ早く行きたい気もちが、リードを前へ引っぱる形になって出てきます。引っぱりは、反抗ではなく、前へ進みたいという自然な気もちの表れです。

「引っぱると進める」が、引っぱりを育てる

ここに、引っぱりのやっかいさがあります。犬が引っぱって、そのぶん前に進めたとき、犬の中では「引っぱれば、行きたいところへ行ける」という経験が積まれます。うまくいった行動は強まる(正の強化)というのは、行動学の基本です。米国獣医行動学会(AVSAB)も、望ましい行動を認めて伸ばす報酬ベースのやり方をすすめています。裏を返すと、引っぱって進めたという成功体験も、同じしくみで強まります。つまり引っぱりは、飼い主が教えなくても、進めた一歩ごとに、犬の中で自然に強くなっていきます。リードが張るたびに前に進んでいれば、犬は毎回、引っぱりの練習をかさねていることになります。同じ報酬のしくみは、呼び戻し(おいで)を育てるときにも味方になります。

身近な場面で考えてみます。犬が電柱のにおいをかぎたくて、ぐいと前に出た。飼い主が、つられて一歩ついていった。犬にとっては、引っぱったら、かぎたいにおいに近づけた、という小さな成功です。角を曲がりたくて引っぱり、曲がれた。人やほかの犬に近づきたくて引っぱり、近づけた。こうした小さな成功が、一回の散歩の中で、何十回とくり返されます。飼い主にその気がなくても、リードが張ったまま進むたびに、引っぱりへのごほうびが、こまめに配られていることになります。

だから、「引いても進まない」を教える

この見取り図が分かると、打ち手の芯が決まります。引っぱりを弱めるには、引っぱっても前に進めない、という経験に置きかえていきます。引っぱったら止まる、リードがゆるんだら進む。この一貫したルールで、「引く」と「進む」の結びつきをほどき、「ゆるめる」と「進む」の結びつきを作りなおします。強く叱ったり、首をぐいと引き戻したりして止めるのではありません。犬が自分で「引っぱっても進まないな」と気づき、ゆるめたときに進めるようにします。時間はかかりますが、これが遠回りのようでいて、いちばん確かな道です。

逆に、痛みや大きな声で引っぱりを止めようとすると、その場ではおさまっても、別の問題が出てきます。犬は、散歩や、飼い主のそばを、こわい場所・こわい相手と結びつけて覚えていきます。引っぱりは、力でおさえるほど、不安からの引っぱりや、かたまって動かない、といった形に変わることがあります。だから、時間はかかっても、「引いても進まない・ゆるめると進める」を、おだやかにくり返す道を選びます。

「リーダーウォーク」という言葉と、いまの考え方

散歩の引っぱりを調べると、「リーダーウォーク」という言葉によく出会います。これは、飼い主が主導して歩く練習を指して使われることが多い言葉です。この言葉そのものを否定する必要はありませんが、その中身には、注意したい点があります。

かつては、引っぱりを「力でおさえて従わせる」やり方で直す、という考え方が広まっていました。けれど、いまの獣医行動学では、力でおさえつけて教えるやり方は、すすめられていません。AVSAB は、痛みや恐怖を使う古い道具ややり方を避け、望ましい行動をごほうびで伸ばす報酬ベースのやり方をすすめています。引っぱりも、力でおさえこむのではなく、「引いても進まない・ゆるめると進める」を、ごほうびで教えていきます。しつけの考え方の全体像は犬のしつけの手法にまとめています。この記事では、その報酬ベースの立場から、引っぱらせない歩き方を組み立てます。

「主導して歩く」というのは、力で先導することではありません。行き先やペースを飼い主が決め、犬がそれに気もちよく合わせられるように、ごほうびで導く、ということです。同じ「リーダーウォーク」という言葉でも、痛みでおさえるのか、ごほうびで導くのかで、中身はまるでちがいます。この記事は、後者の、ごほうびで導くやり方だけを扱います。

道具の選び方 ― 小型犬の首と気管を守る

引っぱらせない歩き方の前に、道具を整えます。とくに小型犬では、道具の選び方が、首と気管の健康に、そのままつながります。

小型犬の首と気管は、デリケート

首の細い小型犬が、首輪でぐいぐい引くと、首の一点に力が集まります。獣医団体の VCA は、チワワ、ポメラニアン、シーズー、ラサアプソ、トイプードル、ヨークシャーテリアなどの小型犬を、気管がつぶれやすくなる「気管虚脱(きかんきょだつ)」の起こりやすい犬種として挙げています。米国 Merck の獣医マニュアルも、気管虚脱は小型犬に多い、と述べています。VCA は、その特徴的な咳が、首輪など気管への圧で強まることがある、とも述べています。乾いた、ガチョウの鳴き声のような咳が気になるときは、様子を見ず、かかりつけの動物病院(獣医師)に相談してください。

首輪ではなく、ハーネスを

そこで、引っぱりぐせのある小型犬には、首輪ではなくハーネス(胴に着ける胴輪)がなじみます。VCA も、気管への負担をさけるため、首輪ではなくハーネスを使うことをすすめています。リードをつなぐ位置には、背中側につけるタイプと、胸側につけるタイプがあります。AKC は、引っぱりの方向づけには、胸側につける前留めのハーネスが役立つ、と紹介しています。首輪は、迷子札や鑑札をつける役目にとどめ、リードは首に負担のかからないハーネスにつなぐ、という分け方が、小型犬には合っています。

ハーネスは、体に合ったサイズを選び、着けたときに、犬の脇のうしろにこすれないか、前あしの動きをじゃましないかを確かめます。ゆるすぎるとすっぽ抜け、きつすぎると動きをしばります。目安は、ハーネスと体の間に、指が二本すっと入るくらいのゆとりです。背中側につけるタイプは、着けやすく、落ち着いて歩ける子に向きます。胸側につける前留めタイプは、引っぱったときに体の向きが飼い主のほうへもどりやすく、方向づけの練習に使いやすい形です。散歩の場面に合わせて、使い分けます。

使わないほうがよい道具

反対に、引っぱりを止めるためでも、使わないほうがよい道具があります。AVSAB は、チョーク(首をしめる)カラーや、プロング(内側にとげのある)カラー、電気ショックをあたえる首輪、そしてリードをぐいと引き戻す「リードジャーク」などを、避けたい方法として挙げています。これらは、痛みや不快感で引っぱりを止めようとする道具で、犬の不安や、人との関わりのこわばりにつながります。リードそのものは、AKC が、のびちぢみする伸縮リードは避け、約一.八メートル(六フィート)ほどの軽いリードを使うことをすすめています。手には、犬の好きな小さなおやつを、いくつか用意しておきます。

「引っぱりを一発で止める」とうたう道具に、心が動くこともあります。けれど、痛みや驚きで止める方法は、その一瞬は効いても、犬の不安を育て、散歩そのものを、こわいものにしてしまいます。急がば回れで、道具は首と体にやさしいものを選び、止め方は、ごほうびで教える。これが、小型犬と長くつきあうための土台になります。

引っぱらせない散歩① 「引いたら止まる・ゆるんだら進む」

道具が整ったら、いよいよ歩き方です。引っぱらせない散歩の土台になるのが、「引いたら止まる・ゆるんだら進む」という、いちばんシンプルな一貫ルールです。

引いている間は、一歩も進まない

まず、リードが張って引っぱられている間は、飼い主は一歩も前に進みません。犬が引っぱっても、その先に「進める」というごほうびが来ない、という状態を作ります。AKC は、引っぱっている間は前に歩かせない、と説明しています。そして、一度でも引っぱったまま進ませてしまうと、練習は振り出しにもどる、とも述べています。ここがぶれると、犬は「引っぱれば、ときどき進める」と学び、かえって引っぱりが粘り強くなります。だから、引いたら止まる、を、家族みんなで、そろえて守ります。

ゆるんだら進む・良い歩きにごほうび

止まったあと、犬がふとリードをゆるめたり、飼い主のほうを見たりした、その瞬間をとらえます。リードがたるんだら、すかさず「いいよ」と声をかけて、また歩き出します。進めることそのものが、犬にとってのごほうびになります。AKC も、リードがゆるんでから歩き出し、良い歩きをほめて伸ばす、という流れを紹介しています。ときどき、犬が横で良い位置を歩いているときに、おやつを渡すと、「ゆるめて歩くと、良いことがある」という手ごたえが強まります。こうして、たるんだリードと前進を、少しずつ結びつけていきます。

静かな場所から、少しずつ

この練習は、いきなり刺激の多い道で始めると、犬もうまくいきません。まずは、家の中や、人や犬の少ない静かな場所から始めます。立ち止まるときは、木のようにその場に立って、リードを引き返したりせず、犬が自分でゆるめるのを待ちます。リードは、短く持ちすぎず、たるみをもたせて構えます。静かな場所でできるようになってから、少しずつ、刺激のある道へと広げていきます。あせって難しい場所へ進むより、できる場所で成功をかさねるほうが、近道です。

ここまでが、引っぱらせない散歩の土台です。とはいえ、実際の道では、犬の興奮の度合いや、まわりの刺激で、うまくいく日と、そうでない日があります。K9 Harmony は、板橋区を中心に、出張型のドッグトレーニングをおこなっています。お使いのリードやハーネス、いつもの散歩ルートに合わせて、その子に合う止まり方・進み方を、いっしょに組み立てます。犬がいちばん落ち着ける自宅とその周りで練習できるのが、出張型の利点です。まずは体験から、お気軽にご相談ください。

引っぱらせない散歩② 「注目をもどす・方向転換・ごほうびの位置」

「引いたら止まる」に慣れてきたら、犬の注目を飼い主にもどす練習を重ねます。引っぱりが強い犬ほど、まわりに気を取られて、飼い主が目に入っていないことがあります。

名前とマーカーで、注目をもどす

まず、犬が飼い主のほうを見た、その瞬間をほめる練習をします。AKC は、犬が自分から目を合わせたり、注目を向けたりしたら、すかさず「いいよ」などの合図(マーカー)を出して、ごほうびを渡す、という教え方を紹介しています。「いいよ」の一言を、ごほうびの直前に、いつも同じように使うと、犬は「この言葉のあとに良いことがある」と覚えます。散歩の中で、犬がこちらを見た小さな瞬間を、見のがさずにひろっていくと、注目がもどりやすくなります。

方向転換で、行き先を飼い主が決める

犬が、ある方向へ強く向かおうとするときは、飼い主から向きを変えるのも一つの手です。AKC は、犬の名前を呼んでから、向きを変える合図を出し、ついてこられたらごほうびを渡す、という手順を紹介しています。リードのはしまで犬が行ってしまったときは、名前を呼び、犬がふり返って飼い主のほうを見たら、ごほうびで迎えます。行き先を決めるのは飼い主だ、ということが、こわい思いをさせずに、少しずつ伝わっていきます。

ごほうびの位置で、歩く場所を教える

ごほうびを渡す位置も、大切な教え方の一つです。犬が飼い主の横で歩いているときに、その横の位置でおやつを渡すと、「ここを歩くと、良いことがある」という形が、犬の中にできていきます。前へ引っぱった先ではなく、飼い主の横で良いことが起こる、とくり返すことで、引っぱる動機が、少しずつ小さくなります。うまくいかない日があっても、責めずに、できた瞬間を数多くひろっていくことが、近道になります。

ごほうびに使うおやつは、犬にとっての魅力の強さで、使い分けます。AKC も、価値の高いおやつと、ふだんのおやつの、両方を用意しておくことをすすめています。まわりの刺激が強い場所や、とびきりうまくできた瞬間には、価値の高いおやつを使うと、犬の「できた」が、はっきり伝わります。渡すのが遅れると、どのふるまいへのごほうびか、犬に伝わりにくくなります。良い瞬間の、すぐあとに渡すことを心がけます。

嗅がせる散歩と、引っぱりの関係

引っぱらせない散歩というと、犬をおさえこむ散歩に聞こえがちですが、大事なのは、犬の満足を削らないことです。においを楽しむ時間は、引っぱりを減らす土台にもなります。

においをかぐ時間は、心を満たす

犬は、においをかぐことで、たくさんの情報を受け取り、心を満たします。犬の嗅覚を使う遊び(ノーズワーク)を続けた犬が、より前向きになり、福祉が高まった、という研究(Duranton & Horowitz, 2019)があります。これは、決まった歩き方の練習との比較による小さな研究で、においをかがせれば引っぱりが直る、とまでは言えません。それでも、じゅうぶんににおいをかぎ、頭を使って心が満たされた散歩は、犬を落ち着かせ、興奮からの引っぱりを和らげる助けになります。速く歩かせることよりも、犬が鼻を使える時間を大切にすると、散歩そのものが穏やかになります。季節ごとの、においを楽しむ散歩の工夫は春のケアにもまとめています。

散歩の中に、においをかぐための「立ち止まってよい時間」を、あらかじめ組みこんでおくのも一つの手です。安全な場所で立ち止まり、犬がじっくり鼻を使うのを待ちます。かぎ終わって顔を上げたら、また歩き出します。歩く時間と、かぐ時間の、めりはりをつけると、犬は「かぎたいときは、引っぱらなくても立ち止まってもらえる」と学びます。引っぱってでもにおいに近づく必要が、少しずつ減っていきます。

「かがせる」と「拾い食い」は、分けて考える

においをかがせることと、物を口に入れることは、分けて考えます。かいでよい、けれど口には入れない。この線引きが、嗅がせる散歩と、拾い食いの防止を両立させます。地面のにおいに強く向かい、口が届きそうになったら、その前に向きを変えて、飼い主に注目をもどします。散歩中に落ちている物を口に入れさせないための、くわしいリードの使い方は犬の拾い食い・誤食にまとめています。引っぱらせない歩き方と、口に入れさせない管理は、地続きの技術です。

においを使う散歩は、マンション暮らしとも相性のよい過ごし方です。走り回れる広い庭がなくても、鼻をたっぷり使う散歩は、犬の頭をほどよくつかれさせ、家での落ち着きにつながります。心が満たされた犬は、次の散歩でも、引っぱってでも刺激を求める、という切迫が和らぎます。反対に、運動も、においをかぐ楽しみも足りないままだと、外に出たとたんに、たまった気もちが引っぱりになって噴き出します。短い距離でも、鼻を使う時間と、体を動かす時間を組み合わせることが、引っぱりの予防にもつながります。

マンション×トイプードルの現実解

最後に、マンションで小型犬と暮らす、という前提に合わせた、現実的な工夫をまとめます。共用部での短い距離にも、引っぱりの困りごとは詰まっています。

共用部・エレベーターは、短く持って

マンションの共用部やエレベーターは、ほかの住人や犬と、近い距離ですれちがう場所です。ここでは、リードを短めに持って、犬を飼い主のすぐ横につけ、飛び出しや引っぱりを、あらかじめ防ぎます。玄関を出る前に、いったん落ち着いてからドアを開ける、エレベーターでは飼い主の足もとにつける、といった小さな段取りが、共用部でのひやりを減らします。近隣への配慮全般はマンションで犬と暮らすにまとめています。

短い時間の反復で、積み上げる

引っぱらせない歩き方は、長い散歩で一気に仕上げるものではありません。トイプードルは、小柄でも運動が好きで、体を動かす必要のある犬種です(AKC)。長い距離をだらだら引っぱらせて歩くより、短い時間で、「引いたら止まる・ゆるんだら進む」を何度もくり返すほうが、身につきます。マンションの周りを、短く区切って練習し、うまく歩けた回数を、こつこつ積み上げていきます。

雨の日や、外に出づらい日は、家の中の廊下でも、ゆるいリードの練習ができます。短い距離を、引いたら止まる・ゆるんだら進む、でゆっくり往復するだけでも、良い形を思い出せます。そして、家族の全員が、止まる合図や、ごほうびの渡し方を、できるだけそろえます。人によってルールがちがうと、犬は混乱し、引っぱりが直りにくくなります。だれと歩いても同じ、という一貫が、いちばんの近道です。

不安が強いとき・体調が気になるときは

まわりの人や犬、車におびえて引っぱる場合は、社会化の視点から、少しずつ慣らすことも助けになります。子犬期からの慣らし方は子犬の社会化に、留守番中の運動不足やストレスが背景にあるときの整え方はトイプードルの留守番にまとめています。強い恐怖やパニックがあるとき、あるいは咳や呼吸、歩き方など体調が気になるときは、無理に散歩でおさえこもうとせず、専門家や、かかりつけの動物病院(獣医師)に相談してください。

散歩の引っぱりについて、よくある質問

Q. 引っぱりは、どのくらいで直りますか?

すぐには直りません。引っぱりは、これまで「引くと進めた」経験のぶんだけ積み重なっているので、置きかえにも時間がかかります。大事なのは、家族みんなで「引いたら止まる・ゆるんだら進む」をそろえ、毎日の散歩で一貫して続けることです。うまくいった日と、そうでない日の波はあっても、できた回数を積み上げていくと、少しずつ楽になります。

Q. 首輪とハーネス、どちらがよいですか?

引っぱりぐせのある小型犬には、ハーネスがなじみます。VCA は、チワワやトイプードルなどを気管虚脱の起こりやすい犬種に挙げ、気管への負担をさけるため、首輪ではなくハーネスを使うことをすすめています。首輪は迷子札や鑑札の役目にとどめ、リードは、胸側につける前留めのハーネスにつなぐと、方向づけもしやすくなります。

Q. 引っぱったとき、叱ってもいいですか?

痛みや大声で叱って止めるのは、すすめられません。AVSAB は、痛みや恐怖を使う道具ややり方を避け、望ましい行動をごほうびで伸ばす報酬ベースのやり方をすすめています。引っぱったら止まる、ゆるめたら進める、というルールで、犬が自分で気づけるようにするほうが、こわい思いをさせずに、長く続きます。

Q. 引っぱりを止めると、犬が散歩を楽しめないのでは?

止めるのは「引っぱったまま進むこと」だけです。犬が楽しみにしている、においをかぐ時間や、外を歩く時間そのものは、削りません。むしろ、ゆるめて歩けたときに進めて、においをかがせる時間をつくると、犬にとっては「ゆるめるほうが得だ」という散歩になります。

Q. においをかがせると、余計に引っぱりませんか?

においをかぐことと、引っぱって進むことは、分けて教えられます。立ち止まって、じっくりにおいをかがせる時間は、犬の心を満たし、興奮からの引っぱりを、むしろ和らげます。かいでよいけれど、口には入れない、という線引きをしながら、鼻を使う時間を散歩に組みこみます。

Q. 子犬のうちから、できることはありますか?

あります。散歩を始めるころから、ハーネスとゆるいリードに慣らし、「ゆるめて歩くと進める」を、遊びの中で楽しく教え始めます。人や物、音への慣らしとあわせた子犬期の関わりは子犬の社会化にまとめています。早いうちから、ゆるいリードの心地よさを覚えてもらうと、あとがぐっと楽になります。

まとめ ― 力で止めるより、「ゆるいリード」を育てる

犬が散歩で引っぱるのは、わがままでも反抗でもなく、前へ進みたい気もちと、「引くと進めた」という経験の積み重ねから来ています。だから、力でぐいと止めるのではなく、引いても進まない・ゆるめると進める、という関係を作りなおすことが、直し方の芯になります。小型犬では、首と気管を守るために、首輪ではなくハーネスを選びます。歩き方は、引いたら止まる、ゆるんだら進む、注目がもどったらごほうび、を一貫してくり返します。においを楽しむ時間は削らず、拾い食いの管理とは分けて考えます。犬種としてのトイプードルと板橋での暮らしは、板橋区のトイプードルにまとめています。

引っぱりを消す問題ではなく、ゆるいリードを育てる問題だ、というのが、この記事の背骨です。しつけの考え方の全体像は犬のしつけの手法に、マンション暮らしの近隣配慮はマンションで犬と暮らすにまとめています。乾いた咳や、呼吸、歩き方など、体調が気になるときは、様子を見ず、かかりつけの動物病院(獣医師)に相談してください。あせらず、その子のペースで、一歩ずつ、ゆるいリードを育てていけば大丈夫です。

参考にした情報(獣医団体・学術団体・査読論文)

この記事の説明と設計は、つぎの一次情報をもとにまとめています。本記事は米国ケネルクラブ(AKC)・米国獣医行動学会(AVSAB)・獣医団体・査読論文などの一次情報をもとにしており、最新の内容は各公式で確かめてください。診断・治療は動物病院(獣医師)の役割です。咳や呼吸、歩き方など体調が気になるときは、様子を見ず、かかりつけの動物病院にご相談ください。出典の一覧は、下の「出典一覧」を開くと表示されます。

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K9 Harmony は、板橋区を中心に、出張型のドッグトレーニングをおこなっています。散歩の引っぱりも、お使いの道具や、いつものルート、その子の性格に合わせて、いっしょに整えます。犬がいちばん落ち着ける自宅とその周りで練習できるのが、出張型の利点です。まずは体験から、お気軽にご相談ください。

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